以前にテレビで観た映画のレビュー。キャプテン・フィリップス/ツーリスト/インセプション

2019年1月27日アニメ/マンガ等, 感想/レビュー, 映画

2016年12月に執筆した記事です。
 BSプレミアムで放送された映画をいくつか見たので感想。

キャプテン・フィリップス

 2009年にソマリア沖にて発生した「マースク・アラバマ号」乗っ取り事件が題材となっている。リチャード・フィリップスが船長を務める米国籍の貨物船が海賊の襲撃を受け、フィリップス船長自身が人質となる。
 当時はソマリア海賊がメディアで盛んに取り沙汰され、話題は自衛隊の派遣の是非にまで及び関連する法律も制定された。一方でソマリア海賊側の背景事情を世界に伝えた内容を自分はあまり目にしなかった。本作も事件そのものの事実を写実的に描いたのみで事件の背景を詳しく知ることは出来ない。「アメリカ国民なら漁師以外で生計を立てられる」。断片的ながらも海賊の一人は海賊行為の不可避性をフィリップスに訴えた。題名が“キャプテン・フィリップス”であるから当然かもしれないが、海賊側は一切焦点が当てられていない。
 一連の事件で死亡した人間が海賊側の3名で、船長含める船員は一人も犠牲にならなかった。海賊側に非があることは明白だが、この厳然たる事実も世界の不条理を示唆していると思う。
 と、ここまでの書き方だと反米左翼の感想と何ら変わらないが、これらの事件の背景にはグローバリスト(共産主義者とほぼ同一)による経済的軍事的植民地政策があることが分かれば複雑な面持ちにもなる。それでも目的のためには戦わなくてはならない。しかし精神すら彼らの土俵の上に晒して争わせてしまえば敗北は免れない。彼らの思想を凌駕する「軸」が求められる時代になった。愚かで傲慢な人間は既にある“それ”に気付けない。

ツーリスト

 ただの醜男(イケメンではあるが)が色男に一変する、金庫を開けた瞬間はカタルシスだ。ベネチアは昼も夜も映える。ベネチアの紹介映像としては最高だったと思う。

インセプション

 夢の中に侵入し重要情報を引き出す新手の産業スパイ。今回は標的に“ある考え”を植え付ける作戦だという。作中には日本が舞台となった場面がいくつも存在する。洋画に登場する日本は欧米人の視点で日本を観察できる貴重な機会なのでとても良かった。日本人青年のタダシが登場するが演じた俳優が日本人ではなかった点は面白かった。
 作品の結末は様々な考察ができる。主人公・コブは子どもたちに会うことができたのか、或は未だ夢中を彷徨っているのか。そもそも作戦自体が夢で夢を共有するという夢を見ていただけなのか――。事実は小説よりも奇なり。