はりかもさんのマンガ「夜森の国のソラニ」をレビュー。「うらら迷路帖」作者の連載第1作目

2019年1月26日アニメ/マンガ等, 感想/レビュー

 今回は『夜森の国のソラニ』をレビュー。著者はテレビアニメも放送された『うらら迷路帖』のはりかもさん。『うらら迷路帖』の一つ前の作品だ。きらら系では異色の浮世離れした世界観で読者を御伽の国へ誘う。

 夜森の国と呼ばれる夢の世界へ迷い込んだ記憶のない少女――ソラニ。夜森の国に来る者たちには全て何かしらの理由があるらしい。“気が済めば”夢から覚めるというが……。ソラニは記憶を取り戻せるのか、現実に帰ることはできるのか。ちょっと『Angel Beats!』っぽい設定だ。時期的にも近いし。
 ちなみに本作、きららでは珍しく掲載誌のまんがタイムきららミラク連載時のセンターカラーページをカラーのままコミックスに収録している。しかもお値段は据え置きなのでお得な感じ。ごちうさもカラーにしてくれたらいいのになー。

 1巻後半までは特にストーリーは進展しない。“非”日常系なのだからもう少し人物描写を深めても良い気がする。辛めに表現するときらら特有の日常ギャグコマが邪魔して本筋に集中できない。いっそのことシリアス全振りにしても良かったと思う。桜Trickといい今は亡きミラクは正にきららの実験場でしたからね。

 作中で一番可愛いのは主人公・ソラニかな。明るい性格だが記憶が無いので過去はベールに包まれたミステリアスなキャラでもある。『うらら迷路帖』の千矢といい無くしたものを探すストーリーが作者の好みのようだ。

 物語は最終盤に至ってすんなりとソラニの現実を明かす。ソラニが夢から覚めた後の現実での生活には一切触れられていないが、便りがないのは良い知らせ。悲劇を克服して幸せに暮らしていることだろう。全体的に綺麗に纏まった作品だったと思う。